NATSUMI OKUMURA
奥村奈津美
【赤ちゃん防災】災害時の母乳・ミルク育児は「継続」と「備え」が大切!コップ授乳もご紹介(動画あり)
子どもの命を守る、
パパママができる「おうち防災」を発信している
防災アナウンサーの奥村奈津美です。
今回は「赤ちゃん防災」についてご紹介します。
今回の記事では
①母乳育児の備え
②ミルク育児、混合栄養の備え
以上の2つをお伝えしていきます。
この記事を見ていただきながら、
災害が発生しても赤ちゃんの命を守れるように
備えていきましょう。
動画でも解説しているので
お好みに合わせてご覧ください。
目次
動画で見る方はこちら
母乳育児の備え:大切なのは継続
母乳育児で1番大事なのは
「母乳育児を継続」することです。
その理由は、
普段飲んでいないミルクを
災害時に飲ませようとしても、飲めないかもしれません。
また飲んだ時に、ミルクによって
アレルギー反応などが出てしまう恐れもあります。
また1回分、ミルクに変わったことで
母乳の出に影響してきます。
災害時は普段やっていないことを
やるというのはリスクが高いため辞めましょう。
ストレスで母乳が出なくなるのは誤解
災害時、母乳が出なくなるのでは?
と不安に思う方もいると思います。
しかし、ストレスで母乳が出なくなる、というのは誤解です。
アメリカ小児科
学会とアメリカ産婦人科学会が
出している医師のためのハンドブックには、
「ストレスで母乳が止まることはないと
お母さんに伝えて安心してもらいましょう」と書いてあります。
一方で、日本の場合は
「ストレスで母乳は出なくなるから
母乳で育てていてもミルクや哺乳瓶を備蓄しましょう」との情報が
過去に出回ってしまいました。
今では訂正されている情報ですが、
自治体のリーフレットや、
過去の情報がネットで拡散されてしまい
誤った情報を正しいものだと
思い込んでいる方がたくさんいらっしゃいます。
専門家の先生に詳しく
解説していただいている動画もありますので、ぜひご覧ください。
» 参考動画:妊娠・出産する前に知りたかった赤ちゃんの栄養講座
母乳育児を続ける備えるためのポイント4つ
大切なのは、
自分自身が 母乳育児を続けられるような備えを
しておくということです。
4つのポイントをご紹介します。
①母乳は止まらないと自信を持つ
②普段から外で授乳することに慣れておく
③普段から相談できる環境を作る
④自分の食べるものを日常備蓄
①母乳は止まらないと自信を持つ
まずは「母乳は止まらない」と自信を持つことです。
ストレスで母乳が止まってしまうのでは…と
思うと余計ストレスになってしまいます。
大丈夫、母乳は出続けると信じて
母乳育児を継続することが大切になります。
②普段から外で授乳することに慣れておく
次に、外で授乳することに慣れておくのも大切です。
災害時の場合、授乳環境の整っていない
避難所に行く可能性もあります。
普段から授乳しやすいケープや
服装など使うことで
災害時も授乳を継続できることにも繋がります。
③普段から相談できる環境を作る
普段から相談できる環境を作ることも重要です。
今は母乳外来だけでなく、
オンラインで専門家の先生に
相談できるサービスもあります。
ぜひ、活用してみてください。
災害時の乳児栄養オンライン相談はこちら
④自分の食べるものを日常備蓄
最後のポイントは
自分の食べるものを日常的に備蓄しておくことです。
方法は「プラ1備蓄」といって、
常温で長期保存できるものを中心に
同じものを2つ買い、
1つ食べたらまた同じものを買い足す。
これを繰り返すだけで
同じものが1個はある状態をキープできます。
こちらに関して詳しくは
前回の記事でご紹介しているため、
ぜひご覧になってください。
» 前回の記事「【おすすめ】子どもも絶賛!本当に美味しい非常食・備蓄品を厳選紹介/災害時の食事もポイントも解説」はこちら
ミルク育児、混合栄養の備え:紙コップ授乳
ミルク育児の方は
「ミルク」が命綱になります。
液体ミルクもありますが、
災害時に赤ちゃんが飲んでくれるか
どうかは分からないと思います。
普段から使っている方は
積極的に備蓄して頂きたいですが、
1週間、2週間分となると経済的な負担も大きくなります。
そのため災害時でもできる
ミルク育児の方の備えをご紹介していきます。
ミルク育児の備えポイント3つ
①粉ミルク
②水
③カセットコンロ、ボンベ
①粉ミルクは2週間分
普段、使っている粉ミルクを
2週間分備蓄してください。
最低でも1週間分は用意しておきましょう。
乳幼児の場合は国からも
「2週間分は備蓄するように」と
言われています。
支援物資がすぐに届かない場合もあるため、
2週間分は備蓄しておきましょう。
②水は最低でも2週間分
そしてミルクを調乳するための
「水」も必要です。
最低2週間分は用意しましょう。
大人の場合3リットル×7日分×家族の人数分
以上を目安に、備えておくと安心です。
カセットコンロ、ボンベは1日1本
またカセットコンロ、ボンベも備蓄しておきましょう。
ミルクを調乳する際に使います。
最低でも7本以上あると安心です。
大人の場合、1週間で4本×家族の人数分
以上を目安に備えておきましょう。
災害時の紙コップ授乳
災害時、哺乳瓶の消毒作業が難しいです。
また衛生的にもオススメはしません。
洗浄ができない場合もあるため、
普段から「紙コップ授乳」を練習しておきましょう。
やり方は以下の通りです。
①お湯が熱いのでヤケド対策で紙コップを二重にして注ぐ
※お湯の量が分かるように事前に計り 線を引いておくのもオススメです
②割りばしでかき混ぜてミルクを溶く
③コップを一重にして授乳すえう
この飲み方は新生児でもできると言われているため、
もしもの時に備えて普段から練習してみてください。
調乳するときの注意点:70℃を下回らない
調乳する時は粉ミルクを殺菌するために
お湯の温度が70℃を下回らないようにします。
基本的に1リットルの水の場合、
沸騰させて火からおろし30 分以内なら
70 ℃以上を保てるとされています。
非常時で70 ℃以上の調乳ができない場合は、
緊急手段としてペットボトルの水のまま
調乳して飲ませたほうがリスクが軽減できます。
水で調乳したものを
使い捨てカイロなどで温めるのは厳禁です。
粉ミルクの中にはサカザキ菌など
様々な菌が繁殖しており
命に関わる恐れがあります。
また飲み残しに関しても
菌が繁殖している状態なので
飲ませずに捨ててください。
より詳しく知りたいという方はコチラの本や
専門家の先生の動画など見ていただけたらと思います。
» 参考動画:「妊娠・出産する前に知りたかった赤ちゃんの栄養講座」
まとめ
母乳育児の方も、
ミルク育児の方も
普段の授乳を継続することが大切なので
そのための備えをお願いいたします。
ぜひ、この記事を
赤ちゃんのいるママ友や
ご家族の方にシェアしていただけたら幸いです。
また今回は授乳への備えをお伝えしましたが、
災害で命を失ってしまったら授乳もできなくなってしまいます。
ぜひ第一弾の記事をご覧いただきながら
災害が起きた時
家に留まっていても大丈夫なのか?
それとも避難しないと命が守れない
危険なエリアに住んでいるのか?
家と地域のリスクをご確認いただければと思います。
» 第一弾「【徹底攻略】地震対策で最も大切なこととは?サクッと1分で分かるリスク診断も解説!(動画あり)」はこちら
また、赤ちゃんが家具・家電の下敷きにならないように
家の中を安全な空間にしてもらえたらと思います。
» 第二弾「自宅の地震対策】優先度高の「子ども部屋」「寝室」「キッチン」の見直し方法と効果的な防災グッズ(動画あり)」
次回は
「赤ちゃん連れワンオペ避難の防災リュック作り方」に
ついてお伝えしていきます。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。