NATSUMI OKUMURA
奥村奈津美
福島第一原発20キロ圏内ツアー①南相馬市
東京電力福島第一原子力発電所の事故から4年半。
初めて20キロ圏内に入り、自分の目で確かめてきました。
震災後、福島市、新地町、郡山市、いわき市、広野町と
福島は何度も取材で訪れましたが、20キロ圏内に入るのは、今回が初めて。
(報道の仕事をしているのに、恥ずかしいです。)
参加したのは、NPO法人 野馬土が主催するツアー。
「福島第一原発20キロ圏内ツアー」で検索し、
たまたま見つけたのが、このページ→今こそ、東北へ。でした。
早速、担当者にメールすると、すぐに返信がありました。
どうやら、ツアー日時は決まっていないようで、
自分の希望に合わせて、日時を調整してくれました。
メールや電話で数回やり取りして、申し込み完了。
ツアー3日前には、担当してくれるガイドの方が、直接、電話をくださり、
仙台からバスで向かうことを伝えると、バスの名前や時間など丁寧に教えてくれました。
そして、ツアー当日。
午前11時
集合は、福島県南相馬市にある原ノ町駅。
(仙台駅からバスで2時間ほど)
バスの到着時間に合わせて、ガイドの方が出迎えてくださいました。
この日の参加者は、私一人。
ガイドの方の車で、マンツーマンで案内してもらえるという、貸切ツアーでした。
今回、お世話になったガイドのNさん(以下Nさん)
南相馬市在住の70歳。元教師で、
1970年代から40年以上、反原発運動をしてきたそうです。
しかし、福島第一原発の事故が起きてしまい、
防げなかったことに申し訳ないという気持ちが募り
「一人でも多くの人に原発災害の現実を知ってもらえれば…」
2、3年前から、週に1、2回、原発事故の被災地を案内しているそうです。
そんなNさんの車に乗り込んで、ツアースタート。
今回は、いわゆる20キロ圏内、
南相馬市から浪江町、双葉町、大熊町、富岡町と、国道6号線を南下し、
また、北上して戻ってくるということでした。
ただ、ツアーのスケジュールは、特に決まっていないそうで、
「見たいところ、車を止めて欲しいところがあったら教えてください」とNさん。
出発して10分後。
「ここが20キロ圏外、最後の食堂です」
ドライブインはなぞの。
残念ながら、この日は定休日でしたが、
Nさん曰く、震災後、ずっと営業を続けている貴重な食堂だそうです。
そして、
「ここから20キロ圏内です」。
と言われても、
目に見えて何かが変わったり、
何かを感じたりする訳ではありません…
でも、そこを境に、人が住むことができないのです。
ここは、
南相馬市小高区。
福島第一原発から20キロ圏内にあり、避難指示解除準備区域になっています。
つまり、宿泊や居住はできない地域。すべての住民が避難しています。
※南相馬市は、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域に指定されている地域があります。
避難区域については、福島復興ステーションでご確認ください。
国道沿いは、
屋根にシートが張られたままの家々
(地震直後は、揺れで瓦がずれてしまった屋根から雨漏りしないように、シートで応急処置している様子が、
被災地の至る所で見られましたが、20キロ圏内は4年半経っても変わらずその光景がありました)
窓ガラスも割れたままの店など。
生憎の雨でしたが、
車は行き交い、復興へ向けて作業されている方の姿が見られました。
建物を解体している人。
除染で出たゴミの仮置き場の建設している人。
Nさん
「この広大な土地に、あの黒いフレコンバックの山ができる。その横に住みたいと思いますか?」
ここ南相馬市小高区は、来年春の帰還を目指して準備を進めているそうです。
※帰り途、夜の小高区も訪れました。→のちほどアップします。
南下を続け、浪江町へ…