NATSUMI OKUMURA

奥村奈津美

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宮城と広島 復興絆カキ その1

By Published On: 2011年11月30日Categories: NHK広島放送局, 3.11 東日本大震災0.8 min read

8月末、広島のカキ養殖業者の皆さんと一緒に、宮城県気仙沼市を訪れました。

東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城のカキ養殖が、少しでも復興に向けて進めばと、

広島から資材を持ち込んで、3日間で50台のカキイカダを作りました。

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その模様は、「お好みワイドひろしま」を始め、「おはよう日本」、先週の「フェイス」と、

様々な番組でも放送させて頂きました。

 

 

取材をする中で、感激する出来事がありました。

それは、それまで廃業を考えていたのに、この広島からの支援をきっかけに、

「もう一度がんばってみよう」と、再開を決意してくれた方に出会えたことです。

しかも、一人ではなく、何人も!!

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何にもなくなってしまった海に、次々とイカダが浮かんでいく様子を見て、

「居ても立ってもいられなくなった」「絶対に復興してみせる」と

漁師魂に火が付いたというのです。

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ライバルを越えた、男同士の絆・・・

そこには、同業者だからこそできる「心の支援」がありました。

 

~放送では伝えられなかった裏話。

実はこの支援、始まりは、漁業を愛する二人の出会いでした。

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右・水産課歴30年、広島県の職員、宮林さんと

左・いち早く復興を決意した気仙沼のカキ養殖業者、畠山政則さん

 

5月初旬。

宮林さんは、避難所の応援を終え、気仙沼を離れる前に

漁業復興のために何かできることはないかと、海を回ったそうです。

 

そこは以前見た、広島の海と同じようにたくさんのイカダが浮かび、

沿岸に加工施設が並んでいた景色は一変し、愕然としたと話します。

 

しかし、そんな中、出会った畠山さんは

「絶対復興したい。何にもないのでどんな支援でも嬉しいです」

と、カキへの熱い思いを語っていました。

 

宮林さんはその畠山さんの情熱に心を打たれ、

たった20分くらいしか話できなかったそうですが、

絶対支援を形にしようと決意したそうです。

 

正直、本当に役立つのだろうかという葛藤もあったとおっしゃっていましたが、

今回、実現した支援は、間違いなく彼の熱意と行動力の賜物です。

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10月末、改めて感謝の気持ちを伝えたいと、宮城県のカキ養殖業者を代表して、

畠山さんが広島を訪れてくれました。

 

「ひろしまフードフェスティバル」でお礼周りをするということで、

私もご一緒させて頂きました。

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畠山さんは、ひとつひとつのブースを周り、

会う人会う人に、受けた支援内容や、復旧状況などを丁寧に話されていました。

 

さらに、畠山さん、

すれ違う人たちから、「テレビで見ました!がんばってください」と、

次々と声をかけられていました。

こんなにもたくさんの方がこの支援に関心を持ってくれていたのだと、正直私も驚きました。

 

畠山さんも、

「一部の水産関係者だけでなく、広島県民みんなが心配、応援してくれていたんですね。

改めて、力になったし、感謝の気持ちでいっぱいです。」

とおっしゃっていました。

 

地域の先頭に立って歩き続けている畠山さん。

今回、広島のカキ養殖業者との再会の席でポツリとこぼした言葉が忘れられません。

 

「震災のことを忘れるくらい楽しいです。

一晩でもいいから震災のことを忘れたいと思っていた・・・」

 

ハッとさせられました。

 

東北の人たちの前向きな言葉や態度に触れる度、胸が熱くなっていましたが、

本当は、心が疲れ果てているのではないだろうか。

 

辛さが増しているのかもしれない。

 

人の心は癒える日が来るのだろうか・・・

 

今年5月、どうしたら復興できるのかが知りたくて

阪神淡路大震災で街が燃えた兵庫県長田町へ行きました。

震災後いち早く再開した、そばめし屋の女将さんに

直球で質問したところ、返ってきた言葉が

 

「頑張るしかない」

 

その一言でした。

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一日一日、がんばって生きていく中で

いつか心も元気になる日が来るのでしょうか…

 

そんな日が一日でも早く来ますように

と願いを込めて、思いを届け続けたいと思います。

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先日、広島の皆さんからの絵本を届けた宮城県の東松島図書館から

お礼の手紙が届きました。(前回、この場でもお伝えした支援先です)

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そこには、

絵本を持って笑顔になる子供たちの写真と

支援をした人たちの写真。

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そして、ラベンダーの香りも同封されていました。

 

私が訪れた7月初めは、

東松島図書館の前に、一面、ラベンダーの花が咲いていて

その優しい紫色と香りに癒されたのを思い出しました。

 

思いがけないプレゼントにまた元気をもらってしまいました。

 

「思いが届く」

 

これほど嬉しいことはないですね。

 

改めまして、

被災地に本を送る活動にご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。

 

東北、宮城と広島は、いつもつながっています☆

 

 

NHK広島放送局時代のコラムより

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