NATSUMI OKUMURA

奥村奈津美

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【台風対策永久保存版】72時間前からのやることリスト

By Published On: 2023年8月6日Categories: 防災コラム0.7 min read

台風6号が発生。
すでに沖縄は暴風域に入っており、現在もゆっくりと東に進んでいます。

明日にかけて九州などに上陸する恐れが高くなっています。

しかし、具体的にどう備えをしたらわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、台風の接近が予測された時に
どう対策するべきかを台風発生時から台風通過中までまとめました。

ぜひこのページをブックマークして、
備えに役立ててくださいね。

また詳しい内容については、
拙著「子どもの命と未来を守る! 「防災」新常識 パパ、ママができる!!水害・地震への備え」にまとめておりますので、
この機会にぜひご一読してお役立てていただければと思います。


目次


台風が発生したらやること

天気予報などで台風が発生したら、家の中の暴風・豪雨・高潮対策をチェックします。

暴風対策

台風がもたらす暴風は風速が強風域で15m/s以上、暴風域で25m/s以上となります。

物が飛ぶような風になりますので、窓ガラスなどが割れる危険性もあります。

窓が割れると 風が家の中に入ってきて天井に抜けようとしていきます。
そのため、天井・屋根が飛ぶ危険性もあるのです。

窓を守ることは家全体を守ることにつながります。
シャッターや雨戸などが閉まるかどうかの点検・修理をしておきましょう。
できれば台風シーズンの前にすることをオススメします。

雨戸やシャッターがない家もあると思います。
その場合は、割れてもガラスが飛散しないように対策が必要です。

飛散防止フィルムを貼ることは地震対策にもつながります。

応急的な方法になりますが、養生テープをバッテンに貼る、段ボー ルで補強するなどの対策もあります。

台風が近づくと対策グッズは売り切れることもあります。
普段から飛散防止フィルムを貼っておくと慌てることもありません。

もう一つ、売り切れることが あるのが、ブルーシート。
雨漏りなど屋根の応急処置にも役立ちます。

その他、台風シーズン前に、屋根、カーポートや家の周りの塀が壊れて飛ばないように、これらも点検・修理しておきま しょう。

豪雨対策

豪雨の対策では、まず雨樋の点検、掃除をしておきましょう。

壊れているところがない か、落ち葉やホコリが溜まっていないでしょうか。
側溝や用水路の掃除をしておくことで 被害を軽減することができます。

低層階の人は、貴重品、思い出の品、家電製品は、上の階に避難させておくといいでしょう。
上の階まで浸水する恐れがあるのなら、
高台にある友人や親族の家に預かってもらえないか頼みましょう。

トランクルームを使うという選択肢もあります。
直前では慌てるので余裕を持って行いましょう。

水平避難(※)しないと命が守れないエリアにお住いの方は、
広域避難(※)も含めて検討し、念のためこのタイミングで親戚宅に連絡したり、
交通機関やホテルの予約をしておきましょう。

直前になるとホテルは満室になることもあります。

※水平避難:
その場を立ち退いて近隣の安全を確保できる場所へ一時的に移動すること

※広域避難:
市町村の境を越えて、安全を確保できる場所に避難すること

高潮対策

台風の被害は風と雨だけではありません。
沿岸部にお住いの方は高潮にも注意が必要です。

高潮とは気圧が下がり、海面が吸い上げられる効果と、強風により海水が吹き寄せ効果で、海面が異常に上昇する現象です。
沿岸の地域などは浸水する恐れがあります。

高潮の危険性がある自治体では、高潮のハザードマップを作っています。

自宅がどれくらい浸水するか確認しておきましょう。

潮位が高くなる大潮がいつなのか、知っておくことも備えの一つです。

時間のかかる対策

持病がある方は、薬を多めに処方してもらったり、畑などの屋外の対策をしたり、
時間がかかる対策はこの時点で始めましょう。

台風接近72時間前

不要不急な予定のキャンセル

台風の進路予測図や強さなどの気象情報を見て、
変更できる予定、
例えば旅行や出張、イベント 等の外出計画をキャンセルする手続きをしましょう。

お金の備え

キャッシュレス化が進んでいますが停電すると使えなくなるので、
現金を引き出しておき、千円札や小銭を多めに用意しておきます。

備蓄品の補充

水やガスコンロ・ボンベなど、備蓄品の確認をし、
足りないものを買いに行きましょう。

特に垂直避難(※)を考えている低層階の人は、
備蓄品も上層階に運んでおきましょ う。

また、トイレが上層階にない人は、
簡易トイレを準備しておきましょう。

※垂直避難:

自宅の2階以上など、自宅のより高い場所に避難することです。

浸水対策

低層階で浸水する恐れ上がるときは、土嚢を用意しましょう。
自治体によっては「土嚢ステー ション」という土嚢を無料でもらえる保管場所がありますので、
早めに取りに行きましょう。

玄 関や門などの入り口に積むことで道路からの雨水の侵入を抑えることができます。

台風接近48時間前

暴風対策

台風が近づくと雨が降り出す場合もあるので、雨が降る前の明るい時間に済ませてしまいましょ う。

屋外の飛ばされやすいものは全て室内に入れます。
物干し竿に植木鉢やサンダルなど小さいも のもです。
暴風で飛んで家や人に当たれば凶器となります。

被害を最小限にするためにも、また、 加害者にならないためにも対策が必要です。

自転車なども室内に移動しておくといいのですが、 難しいときは、倒して、チェーンなどで固定しておくといいです。

そのほか、室内に入れられない ものも、チェーン、ワイヤー、防風ネットなどで固定します。

浸水対策

車のある方は、ガソリンを満タンにし、駐車場が浸水するエリアの場合は、高台や立体駐車場に 移動させることも検討しましょう。

車が使えなくなると、生活が難しくなる地域もあると思いま す。

2020年の台風10号では、風の影響も考えて、屋内駐車場に移動させる人が多く、駐車場が いっぱいになったと伺いました。

車も早めの避難が必要です。

スケジュール確認

学校の休校や職場の出勤体制、公共交通機関の計画運休の確認をしましょう。

計画運休(けいかく うんきゅう)とは、台風などによる被害をできるだけ小さく留めるために、
交通機関が事前に予告 した上で運行を中止することです。

国土交通省も48時間前には計画運休の可能性を公表するよ う、交通機関に求めています。

台風接近24時間前

食事の準備

週末の作り置きのイメージで、台風が過ぎ去るまでの食事を用意しましょう。

冷蔵庫、冷凍庫内 の食材で、停電した場合、悪くなってしまうものを予め把握。
野菜などは洗って切っておくと、 断水しても調理しやすいです。

常備菜を作るイメージで調理しておくのもいいでしょう。
また、そ のまま食べられる食材を多めに用意しておくと安心です。

熱中症対策

500mlの水のペットボトルを複数凍らしておくといいでしょう(膨張するので少し水を減らして)。
溶けたら飲み水になり、飲み干したら容器は給水のときに役立ちます。

また、台風接近中は窓が開 けられないので、停電したら蒸し風呂のように暑くなることも。
保冷剤、ネッククーラーや瞬間 冷却剤、充電式の扇風機や蓄電池で使える扇風機なども用意しておきましょう。

また、経口補水液 や塩飴なども多めにあると安心です。

(より詳しい情報は、拙著第4章の185ページに記載しています)

» 子どもの命と未来を守る! 「防災」新常識 パパ、ママができる!!水害・地震への備え

停電・断水対策

そのほか停電対策として、携帯電話や、タブレット、ノートパソコン、また、蓄電池をお持ちの方 はフル充電にしておきます。

断水対策

お風呂やバケツに水を貯めておくなど、できる限りの備えをしておきましょう。
簡易トイレも用意しておきます。

浸水対策

低層階の方は、家の中の浸水対策もしておきます。

水害時、下水が逆流して溢れてくることがある ので、排水口に水のうを設置します。
水のうはゴミ袋で作れます。

二重にしたゴミ袋の中に半分 ほど水を入れ、口を縛り、トイレやキッチンなどの排水口を塞いでおきます。

暴風対策

飛来物による窓の破損防止のために、シャッターや雨戸を閉め、それらがない場合は、飛散防止 フィルム、または養生テープを貼った上で、カーテンを閉め、そのカーテンも止めておきましょ う。

外側にベニヤ板を打ち付ける、内側にダンボール板を張るという方法もあります。

垂直避難の方

二階以上に垂直避難する計画の人で、キッチンが1階の場合は、カセットコンロやボンベと一緒に鍋などの調理器具や食材も持って上がりましょう。

実際に西日本豪雨の垂直避難で救助まで2日間かかった方が、水、カセットコンロとボンベは上げておいたが、
お鍋がなくてお湯を沸かせな かった…と話してくれました。

また、玄関が1階の場合は靴も避難させておくといいでしょう。

在宅避難の方

万が一、被害が出て避難することになったら、どこに行くべきか、ハザードマップなどを参考に家族で話し合っておきましょう。

また、寝ている間に状況が変わることもあるので、浸水の恐れがある人はあらかじめ垂直避難してから就寝しましょう。

水平避難の方

浸水する恐れのある人で広域避難をする人は(台風圏外に避難できる実家、親戚、友人の家、ホテ ルなど)
戸締りをしっかりして、隣近所に一声かけてから移動開始。

計画運休などが始まる前に、安全な時間に移動しておきましょう。

また、近所の避難所や頑丈な建物に住んでいる友人宅に避難する方も
このタイミングで移動しておきましょう。

状況が変わってからの 避難は大変危険です。

台風通過中

とにかく外に出ないことが大事です。
用水路や畑、川の様子を見に行って、命を失う方が大変多くいます。

万が一に備え、非常持ち出し袋やレインウエアなど、避難に必要なものはすぐに取り出 せるように、
また、いつでも避難できるような服装で過ごしましょう。

停電断水に備えて、トイ レは我慢せず、早めに食事。

そして、電気を使わない遊びや読書など、子どもと楽しく過ごせる工夫をしましょう。

心が落ち着く物を用意して、家族で励まし合って早く台風が過ぎ去るのを祈りましょう。

例え台風の進路がそれても、豪雨で浸水被害が発生することもあります。
安全が確認できるまで、命を守る行動を続けましょう。

まとめ

代表的な対策を以下にまとめます。
※詳細は本文および拙著をご覧ください。


台風が発生したら
・家の中の暴風・豪雨・高潮対策をチェック
・持病の薬を多めに処方してもらう、畑などの屋外の対策をするなどの時間のかかる対策を実施

台風接近72時間前
・不要不急な予定のキャンセル
・現金を引き出しておく
・備蓄品の補充
・低階層の方は土嚢の準備

台風接近48時間前
・屋外の飛ばされやすいものを屋内へ入れる
・車を高いところに移動
・学校や職場、公共交通機関の計画運休等の確認

台風接近24時間前
・台風が過ぎ去るまでの食事の準備
・水のペットボトルを複数凍らせておく(熱中症対策)
・携帯電話やタブレット、パソコンをフル充電(停電対策)
・お風呂やバケツに水を溜めておく(断水対策)
・低階層の方は排水口に水のうを設置(下水逆流対策)
・窓ガラスの暴風対策


拙著「子どもの命と未来を守る! 「防災」新常識 パパ、ママができる!!水害・地震への備え」は
妊娠・出産したら読む防災の本として、
小さな乳幼児を抱えたパパ、ママに向けて防災の備えについて書いています。

ママ、パパの知恵が子どもの命を守ります。

ぜひこの本を手に取って防災の備えをしてみていただければと思います。

» 子どもの命と未来を守る! 「防災」新常識 パパ、ママができる!!水害・地震への備えを見る

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