NATSUMI OKUMURA
奥村奈津美
福島第一原発20キロ圏内ツアー⑧富岡町Ⅱ
国道沿いにある回転寿司「アトム」の隣にある、(今となっては何ともシュール名前ですが)
「富岡町交流サロン」に立ち寄りました。
住民の方が避難先から自宅に戻って片付けなどをする際に立ち寄る休憩所です。
(このツアー中、唯一トイレ休憩のできる場所でもあるそうです。)
避難先のいわき市から、ボランティアで交流サロンを運営している女性が
ご自宅を見せてくださいました。
(写真をこのホームページに掲載することも了承してくださいました。ありがとうございます)
外から見ただけでは分かりませんが、中に入って言葉を失いました。
まず、リビング・・・
天井のクロスが剥がれ垂れ下がっていました。
そして、居間は・・・
天井が今にも崩れそうになていました。
そして、階段から二階の天井を見上げると、光が漏れていました。
あの日、震度6強の揺れで、瓦がズレてしまったそうです。
しかし、そのまま避難。
しばらくして20キロ圏内の一時帰宅が認められた時に屋根にシートをかけたそうですが、
風で飛ばされ…
5年間、雨漏りし続けているそうです。
家が朽ちていくのを帰宅するたびに見ているというこの女性。
避難指示が解除されても、建て替えないと、この家に住むことはできないと話していました。
そして、
「原発に近いこの場所に、あなたは新居を建てますか?」
と聞かれ、私には、なんと答えたらいいのか、分かりませんでした。
原発20キロ圏内ツアー
車窓から眺めただけでは分からない
住民の気持ちに直接触れ、
原子力災害の複雑で深刻な被害の実態を突き付けられました。
続く…