NATSUMI OKUMURA

奥村奈津美

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熊本地震から2年

By Published On: 2018年4月14日Categories: 防災コラム, Column, 熊本地震0.1 min read
熊本地震
2016年4月14日夜9時過ぎ、熊本県を震源とするM6.5の地震が発生し、
益城町で震度7など、激しい揺れを感じました。
そして、その28時間後、さらに大きなM7.3の地震が発生。
益城町などで、再び震度7を観測しました。
以前、このページでも綴りましたが、
私も被災地に入り、被害の大きさを目の当たりにしました。
( 当時のコラムは以下のリンクより読めます
https://natsumiokumura.com/category/column/熊本地震/  )
あれから2年。
今日は
熊本市内で被災した、Aさんの事例をご紹介させてください。
Aさんは、当時二児の母(4歳の息子、2歳の娘)で、双子を妊娠していました。
幸い安定期には入っていたそうですが、妊婦、子連れでの地震でした。
最初の地震の時、熊本市は震度6弱
Aさんは、実家にいて、停電にもならず、大きな被害はなかったようです。
しかし、次の日、二回目の大きな地震、(震度6強)
その時は、停電してうえ、津波警報も出ました。
東日本大震災のことが頭に浮かび、とにかく避難しなくてはと
家族みんなで車に乗り逃げたそうです。
最初、避難所に向かいましたが、一本道で、渋滞で進みません。
そこで、高台にある、広い駐車場に逃げたそうです。
津波の被害はなく、家も倒壊などの危険はなかったそうですが、
その後、Aさんたちは、避難所ではなく、駐車場で車中泊での避難生活を始めました。
なぜ、車中避難を選んだのか?
それは、「余震」があまりにも多かったからだそうです。
熊本地震の特徴でもあった余震。
二度大きな揺れがあっただけでなく、
一日に200回、ひどい時は、5分に一度の間隔で、震度4、5クラスの大きな余震がありました。
Aさんは、揺れるたびに泣き叫ぶ子供達を、怯えさせないようにすることが大変だったそうです。
余震が起きると、家具が揺れてガタガタし、子供達は、その音に余計怖がっていたようで、
音が少ない、そして、揺れても振動の少ない車の中での避難生活を選んだということです。
車の中でDVDを見せたり、好きなお菓子食べさせたり
また、広場など、揺れを感じにくい外で遊ばせたり
とにかく気を紛らわせていたそうです。
また、テレビは地震の情報ばかりで、逆に怯えるから見せなかったとも話していました。
(今も、子供達が好きなDVDは欠かさず車に置いているそうです)
熊本地震では、車中泊という避難を選んだ方が、多くいらっしゃいました。
Aさんは子供が一番揺れを感じないようにするためということでしたが、
別の方は、
「屋根のないところの方が安心だから」
と話していました。
建物の中にいると、屋根、天井が落ちてくるのでは、という恐怖が常にあったそうです。
この理由はご高齢の方から多く聞かれ、
避難所近くの駐車場で取材をさせて頂いた時も、
建物の中に入りたくないという声がありました。
都市部では、避難所が不足することが予想されているので
在宅避難という選択肢を考えておかなくてはいけません。
そのために、私は自宅にいろいろ備蓄していますが、
実際に在宅避難できるのか?
余震、揺れの恐怖のことを考えると自信がないです。
私は車を持っていないので、
家の中にいたくないと思っても、車中避難という選択肢はありませんし…
できることで思いつくのは、
揺れてもガタガタいわないように、家具を固定しておくこと。
熊本地震では、
「片付けても、余震でまた落ちてきて、なかなか片付かなかった」という話や
「揺れるたびに戸棚が開いてしまうからガムテープを貼ったが、使いづらくて困った」という話も聞きました。
揺れに強い部屋にしておくことは、
地震での被害を減らせるだけでなく
その後の避難生活でも安全に暮らせるのではないでしょうか?
皆さんは、何か備えたり、対策していますか?
一連の熊本地震で亡くなったのは、267人。
車中泊など、避難生活による体調の悪化などで亡くなった方、災害関連死は、
これまでに211人と認定されています。
つまり、地震が直接の原因となって亡くなった方よりも、災害関連死の方が何倍も多いのです。
地震後の避難生活をどうするか、深刻な問題です。
改めて、犠牲となられた方々に、哀悼の意を表しますとともに、
被災された皆様にお見舞い申しげます。
1日も早く復興しますように…
P.S.
写真は熊本の方から頂いた笛です。
何かあった時のために、肌身離さず持っています。

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