NATSUMI OKUMURA

奥村奈津美

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二重被災の現場へ 去年の台風15号から9ヶ月。線状降水帯で再び。。

By Published On: 2023年6月10日Categories: 防災コラム0.6 min read

台風2号と前線に伴う雨で被害の出た静岡県磐田市で取材させて頂きました。

中でも、去年9月の台風15号で被災したエリアと全く同じエリアが被災してしまった地域を歩きました。

9ヶ月間という短い期間に二度も被災する・・・二重被災、残酷過ぎます。


 

6月2日(金)に堤防が決壊した敷地川


(訪れた時は復旧工事が始まっていました)

地図を見ると分かるように大きく蛇行して
決壊した場所で90度に近い角度で曲がっていました。

決壊現場のすぐ側に住んでいる方が取材に応じてくださいました。

大雨が降る中、

自宅の2階から川の様子が見ていたところ
あと30センチくらいで川の水が堤防を超えてしまいそうな状況に。

そのタイミングで早めに避難し、無事だったとのことでした。

ただ、家に戻ったら床上浸水
去年9月に浸水して、そこから懸命に復旧した家がまた泥まみれ。

濁流が押し寄せ、自宅の基礎部分の土砂も削り取っていってしまったそうです。


(訪れた時は、ちょうど土砂の埋め直しが行われていました)

お話を伺った住民の皆さんがおっしゃっていたのが
去年、決壊した後、決壊現場には土嚢が積まれていたけれど、
「本当にこれで大丈夫なんだろうか」と不安な気持ちでいたということ。

「早く本格復旧してほしい」という願いが叶う前に
次の豪雨に襲われてしまったのです。


(前回(上)・今回(下)、水がどこまで来たがが刻まれた扉。
拭いても拭いても消えないそうです)

前回よりは水嵩は低かったものの
浸水=同じようにまた復旧作業をしなくては住めません。

 

3日前に畳を入れ替えたばかりだった

床も壁も貼り直して、家財道具も新調し、もうすぐ住めるね

やっとこれからというタイミングでの、二重被災。

前回1メートルを超える浸水
今回も70センチくらいの浸水したお宅の男性にお話を伺いました

一気に水かさが増し
奥さんと二人で、押入れの2段目に座って、なんとか命を繋いだこちらの男性。

「また買い替えだよ」

9ヶ月の労力や気力、お金など全てがまた泥に飲まれたのです。


 

床下浸水なら大丈夫?ではない

新築のお家が浸水してしまった方にもお話を伺うことができました。

去年は、建設中に被災。そして年末に引き渡しとなり
新しい家で生活を始めて半年でまた被災してしまったとのこと。

今回は床下浸水。

でも床下には泥が溜まっています。

床下の泥かきに、さらに悲惨なのが、家電類。

屋外に置いてある、エコキュート、室外機、蓄電池、全てが水没してしまったそうです。

一見被害がないように見えますが、大きな被害を受けています。

許可を頂き撮影させていただきました。

どんな言葉をかけたらいいのか、言葉が見つかりません。

そんな心が折れた中でも支えになったのが「地域の方々の助け」と、
皆さんお話ししてくださいました。

周囲の被災していない家の方々が、翌日から駆けつけて
地域総出で泥の掻き出しをしてくれたそうです。

また、去年の台風15号で災害ボランティアに入った方々も再び駆けつけてくれたとのこと。

 

一方で

「今回は人災だ」と憤る方も多くいらっしゃいました。

「本当に安心して過ごせる環境にしてほしい」

 

2度決壊した場所の復旧工事は進んでいますが、
ただ、堤防沿いを歩いていくと、至るところに土嚢が積まれていて、心配な状況です。

まだまだ雨のシーズンが始まったばかり。

これ以上被害が拡大しないことを祈ります。


今回の取材で現地コーディネーターとしてご案内いただいた
磐田市災害ボラティアコーディネーターの久永公子さま
磐田市議会議員の山下千賀子さま
大学生でボランティア活動にも力を入れている今井琉斗さま

ありがとうございました。

 

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