NATSUMI OKUMURA
奥村奈津美
福島第一原発20キロ圏内ツアー④浪江町ⅲ
浪江町の商店街に入りました。
といっても、もちろん、人はいません。
人の気配が全くないというのは、想像以上に異様でした。
鎮まり返っていて、空気の流れまで止まっているように感じました。
八百屋、肉屋、喫茶店…
訪れたのは祝日の午後。
夕飯の食材を買い出ししている家族がいたり、近所の方と立ち話している方がいたり…
本来なら、日本中どこにでもあるような商店街の日常が、そこにはありませんでした。
誰も暮らしていない街。
ここは日本です。
同じ日本の中に、このような場所ができてしまったことへの、恐ろしさを感じます。
商店街を進むと、新聞屋さんがありました。
テレビで何度か見たことがありましたが、今も12日の新聞が積まれたまま置いてありました。
浪江駅
駅前ロータリーには、マイクロバスが停まっていました。
しかも、ロータリーのど真ん中に。
ガイドのNさん曰く、あの日、停めたままの状態だそうです。
余程、急いで止めたのでしょうか・・・?
駅前の商店は、地震のせいでしょうか?傾いて今にも壊れそうな家々が。
その前には規制線が貼られていました。
ここで生活していた人たちは、今、どこでどんな生活を送っているのでしょうか?
警察官が雨のなか立っていました。ご苦労さまです。
ここ浪江町には、
東日本大震災発生当時、およそ2万人がいましたが、
全町民が避難を余儀なくされました。
そして、現在も、この町に住むことはできません。
浪江町のHPに掲載された、住民アンケートを見ると…
この浪江町に戻りたいと思っている人 17.8%
まだ判断がつかない人 31.5%
戻らないと決めている人 48.0%
無回答 2.7%
浪江町のおよそ3分の2は、帰還困難区域に指定されています。
そして、浪江町には、原子力発電所はありません。
では、福島第一原発のある自治体に入ります。